IT関係者のための TOEIC講座の7回目です。
IT ネタを含んでいますが、IT関係者以外のかたにも役立つ内容です。
今回は、次の2つの単語を紹介します。
- virtual
- crack
◆ virtual
virtual の意味は何ですか、と聞かれたら、あなたなら何と答えますか?
おそらく、「仮想の」と答えられる方が多いと思います。
もちろん正解です。virtual は「仮想の」という意味ですね。
仮想現実は英語で “virtual reality” 仮想通貨は “virtual currency” です。
しかし、virtual の意味が「仮想の」だけだと思っていると、痛い目にあう可能性があります。
virtual には、もう1種類の意味があります。
それは「事実上の」「実質的な」という意味です。
「理論的には必ずそうとは限らないけれど、実質的にはそうである」という意味です。
例えば次のように使われます。
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【英文】 Finding a cheap parking space to rent is virtually impossible at Shinagawa.
【日本語訳】 品川で格安の駐車場を見つけるのは事実上、不可能だ。
品川は地価が高いので、格安の駐車場を見つけるのは難しそうですが、絶対に不可能かどうかはわかりません。
もしかしたら、探せばあるかもしれません。
しかし、格安の駐車場を見つけるのは、実際はほぼ不可能です。
このような場合に virtual (副詞の場合は virtually)を使うと、論理的には見つからないと断言できないけれど、実際はほぼ見つからない、という意味になります。
ちなみに、vitrual を英英辞典で引くと、次の2種類の意味が説明されています。
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1. 現実世界ではなく、インターネットやコンピュータ上での
2. ある事柄にかなり近い
1. が「仮想の」という意味ですね。
そして 2 が、「実質的な」「事実上の」「ほぼそうである」という意味です。
2 の意味でもよく使われますので、ぜひ 覚えておいてください。
◆ crack
crack は、IT関連では「暗号を解読する」「パスワードを破る」「コピープロテクトを外す」などの意味で、よく使われますね。
システムに不正侵入する人のことを、クラッカーともいいます。
IT関連では、これらの意味でよく使われますが、crack には「割れる」「ひびが入る」などの意味があります。
TOEIC 関連でも「割れる」「ひびが入る」の意味で出てくるのを見かけます。
これらの意味も把握しておくことをおすすめします。
まとめ
今回は2つの単語 virtual, crack の意味を紹介しました。
2つとも、なじみ深いIT用語ですが、今回ご紹介したように、IT関連ではない意味でもよく使われますので、覚えておくことをお勧めします。